織田信長(5)本能寺の巻(山岡荘八歴史文庫 14)

著者 :
  • 講談社 (1987年10月8日発売)
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本棚登録 : 445
感想 : 33
5

最初から最後までわかり易く、読みやすい。
史実に基づいているだろうけれど、史料の少ない時代。作者の想像力で埋めていくしかない部分の個性の描き方、選ぶ言葉のセンス、解釈の仕方などが魅力的です。
特に濃姫は婚礼後のことが記されている史料がないにも関わらず、鋭敏で機知に富み、気性の荒い信長を支えた芯の強い一筋縄ではいかない女性が艶っぽく描かれています。
天下を手中に治めるまであと少しだった信長の最期は悲哀に満ちています。濃姫を最後、そう描いてくれてよかったな・・・。猜疑心を増幅させていく明智光秀の心理描写は痛々しく、哀しく、つらかったです。
終わり方も見事でした。
信長は英雄だなとあらためて思いました。光秀が裏切らなければ信長は・・・とやはり考えてしまいます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 著者 ヤ行
感想投稿日 : 2017年11月15日
読了日 : 2017年11月15日
本棚登録日 : 2017年11月15日

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