『百舌の叫ぶ夜』の続編。倉木、明星、大杉らが相変わらず頑張る。
かつて、能登の断崖に消えた“百舌”は復讐を誓い、北朝鮮の工作員として、日本に潜入した。
稜徳会病院で起きた大量殺人事件は、明確な理由もなく突然の捜査打ち切りが発表され、背後に政治的な陰謀がからんでいるのではと、取り沙汰されていた。
捜査に当った倉木尚武警視は、大杉良太警部補、明星美希部長刑事などと共に闇に葬られようとする陰謀を執拗に追う。
百舌が再登場。とはいえ、前回のように「主役級」ではなく、暗躍して最後に暴れる感じ。
倉木は明星と結ばれつつアルコール依存症扱いされてロボトミーされそうになるという、結構大変な役回り。
主役と言えるのは明星で、倉木をモノにするわ女子高生を一喝するわ単独で病院に侵入するわお色気ムンムン出すわの大活躍。
今回の事件を引っ掻き回した張本人とも言えなくもない。
大杉は頑張った。娘を拉致られた挙げ句に侮辱されても耐えたし、明星絶体絶命のピンチにも駆け付けたし。
んで今回、津城が相変わらず飄々と立ち回るのだが、最後にその報いが来た感じになる。
憎めない人物ではあるが、しょうがない感もある。
最終的には前作より裏で手を引いていた森原氏も表舞台からいなくなって、倉木も実は大丈夫で、倉木と明星がめでたく結ばれて
全てが平和になった感じ。
しかしこのシリーズ、まだまだ続くのである。
可哀想なのは大杉と明星か。(倉木は修羅場好きそうなので可哀想じゃない)
で、結局百舌(新谷)は死んだって事で間違いない?
新谷の名を受けた北のスパイは本物の新谷にやられて、普段は古江を装ってた、って事だよね?
その辺が若干不明瞭。
とりあえず想像よりも楽しめた一冊であった。
- 感想投稿日 : 2022年3月12日
- 読了日 : 2015年5月15日
- 本棚登録日 : 2021年3月14日
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