キネマの神様 (文春文庫 は 40-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年5月10日発売)
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感想 : 1277
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39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。"映画の神様"が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。

原田マハさんの作品を読むのは今回で4作目。
相変わらず原田さんの文章は流れるよう詩のように綺麗でうっとりしてしまいます。
が、なぜ星が3つなのかといいますと、ストーリーにいまいち乗り切れなかったからです。
映画っていいよね。映画館で見ると別世界に引き込まれるみたいで家の中でDVDで見るのとはわけが違うよね。というのはよーくわかります。
私も映画は大好きですが、このお話のなかに出てくる映画の10分の1も知らない。
ははあ、名画というわれるのはこれらなのかーそれは見て観たい。
とは思うものの、その映画をしらないといまいち乗り切れない・・・。
娘と父の絆には感動させられるものがありますが、父のだらしなさがちょーっと嫌で・・・。
お話の展開もとんとん拍子に良い方向へ向かうのも展開が読めてしまい中だるみする部分もありました。

しかし総じていえば、映画の良さがとてもよく伝わり、今はどこにも大きなシネマ施設があるなか、お話の中に出てくるような、昔ながらの小さなシネマが潰されず残っていてほしいと心から思える素敵なお話でした。
もう一度読む前に、出てきた映画を実際に見て自分の感想を持ってから、また読んでみるときっと違うことが書けるんじゃないかなと思っております。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドラマ
感想投稿日 : 2014年4月13日
読了日 : 2013年12月28日
本棚登録日 : 2013年11月3日

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