タイトルの通り、実践的な英文法、英文表現のありがちな間違い、そしてそれを洗練されたものとするための例が紹介されています。マーク・ピーターセンさんの本を読んだのは4冊目になりますが、日本人の不自然な英語表現は日本語独特の表現に根ざした根深いものであり、日本語の表現をそのまま英語表現に翻訳するというアプローチに限界があるためそこかしこで起きてしまっているということが理解できました。
例えば日本人の英語にはofを多用(多段的に使用)するような表現が散見されますが、これは日本語で「~の」を多用するような稚拙な表現をそのまま英語に翻訳することによって起きています。日本人が日本語表現する際には、洗練されたものとするためにどうやったら「~の」の多用を減らせるか考えますが、英語に翻訳するときも本来同じように工夫が必要なわけです。
また、中学、高校英語で習った基本文法を頑なに使い続けることも、間違ってはいないが日本語の英語が稚拙と感じる表現に繋がってしまっている原因の一つです。例えばFor exampleは必ず行頭に配置するということを日本人はよくしますが、むしろこなれた英語表現では、For exampleは文の途中で配置されることがほとんどです。このようなネイティブの人が持つ感覚はいくつかのルールに分類され、(もちろん感覚的にこちらのほうがよいというものもありなかなか一筋縄ではいかない表現があるものの)ほとんどは論理的に説明のつくことであるため、一度、英語ネイティブの人たちが暗黙的、論理的に守っているルールを知ることが日本人にとってとても重要であると感じます。そういったことがマーク・ピーターセンさんの本には連綿と書き連ねられているのです。
- 感想投稿日 : 2023年1月30日
- 読了日 : 2023年1月30日
- 本棚登録日 : 2023年1月7日
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