いっぺんさん (文春文庫 し 43-4)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年2月10日発売)
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本棚登録 : 517
感想 : 57
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9つの短編集。
「いっぺんさん」表題作、
「コドモノクニ」
 冬「ゆきおんな」 春「いっすんぼうし」
 夏「くらげのおつかい」 秋「かぐやひめ」
「小さなふしぎ」「逆井水(さからいみず)」
「蛇霊(じゃれい)憑き」「山から来るもの」「磯幽霊」
「磯幽霊・それから」「八十八姫(やそやひめ)」

昭和的な夢と希望と願いと絶望が詰まったお話。
セピア色って言うけれど、確かに懐かしい小物や行事は
出て来るけれど、本当はもっと埃臭くて残酷です。

生贄にされる子供を必死に騙す大人と、
それぞれの安堵と絶望・・・
理不尽な迷信と欲の矛先はいつも子供だったりする。
その対比が大きいからこそ、子供の純粋さが際立つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 不思議系
感想投稿日 : 2021年10月22日
読了日 : 2021年8月26日
本棚登録日 : 2021年10月22日

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