図書館脱出ゲーム ぼくたちの謎とき大作戦! (下)

  • KADOKAWA/角川書店 (2016年3月3日発売)
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感想 : 7
3

978-404-103980-9
C8097\850.

図書館脱出ゲーム
ぼくたちの謎解き大作戦 下

著者:栗栖・ぐら鞭スタイン
訳者:高橋結花
発行所:株式会社KADOKAWA

カバー袖より
図書館に招待された 僕たち12人は、
お客さんじゃなくて、ゲームのプレーヤーだった。
暗号を解くためのカギは全部本の中にあるらしい。
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ぼくたちが閉じこめられてしまった
大図書館は、建物がまるごとが
ボードゲームになっていた!?
暗号を解くために必要なのは、本
子どもたちの力だけで
24時間以内に暗号を解き、
大図書館から脱出できるのか!?
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12人選ばれた中で残っているのは7人
そこから下巻がスタート

この脱出ゲームを成功させるための謎解きの答えを知る方法が一つだけではないこと。

下巻になると、参加している子どもたちの性格等があらわになって、自分が謎解きをする(そういう楽しみ方をしている読者もいるだろうし)ことの他に、この結果がどうなるんだろう?と予想して楽しむ事もできる。
色々な楽しみ方ができる作品だと思いました。


子どもの訴えを、大人が判断して緩やかにルールを適応するのは日本の現状では稀だろうなぁ。

裏切りがあったり、知らないことを知る楽しみを見つけたりチームを変えたり。それを自分の意志で決定する。周りもそれを当然のごと受け入れる。この部分ではあちらの文化を感じました。

日本のものだと、チームがあって、それぞれが特技で貢献して、みんなで協力したから成し遂げたね。で、途中裏切り行為や、チームを移ることは快く思われないだろうけど、あちらは、普通に「アリ」。そういうやつもいる、それらと、一緒に過ごさなきゃならない一定期間をどう対応するかは自分が決める。というスタンスを感じました。
きっと、既読スルーでトラブルになることは理解できないのかもね。

カイルはこの後、本の楽しみを見つけたでしょうね。
嫌われ役のチャールズはどうなったかしら?「勝たねばならない」(と、彼は思いこんでいてそれが事実はどうかはわからないけれど)その環境は結構辛そうです。

結果、ギリギリ脱出には成功して、レモン博士の誕生パーティーに場面が移ってハッピーエンド、大団円となるわけですが、このほかに自分が考えていた終わり方は、時間には間に合わなかった、けれども(だからこそ、なお)本を読み、仲間と分かち合い、協力することが大事だね。さぁ、誕生日のパーティーをしよう。的なのもあるんかなー。など残りのページ数を気にしながら読みました。
途中のクイズも時間制限があって、ゆっくり読んでも一向にかまわないのに、ドキドキしてしまったw

翻訳者さんはご苦労されたでしょうね。
この作者さんは他の作品も日本で出版されているようなので、読んでみたいです。


でね、平成大合併の頃、新しい図書館ができて、そこも利用できるようになったから行ってみたときのこと。
「しばらくここに泊まりたい」と思いました。(笑)
別の市町村に出かけて、図書館訪問をすることも楽しみの一つです。その行政区が住民にどんなサービスをしているか、垣間見える気がします。児童や子ども、子ども連れに配慮がある図書館を持つ市町村は、未来があるなぁって感じました。



①ミゲル・フェルナンデス 図書委員
②アケミ・ヒューズ  主人公カイルの親友
③アンドリュー・ペックマン 癇癪持ち
④シエラ・ラッセル 本好き 母子家庭
⑤ヘイリー・デイリー 美少女、父失業中商品狙い
⑥チャールズ・チルティントン 金持ち
⑦カイル・キーリー 読書嫌いのゲーム好き

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月28日
読了日 : 2022年1月5日
本棚登録日 : 2021年12月28日

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