本日も教官なり (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2020年9月24日発売)
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本棚登録 : 291
感想 : 28
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自動車教習所で教官として働く益子の元に別れた妻から電話が。娘が妊娠したという。高校生、17才。今後どうするかの話し合いに一緒にいて欲しいというので、11年ぶりに元妻美鈴と娘美月と会うことに。久しぶりに会う妻子と娘の妊娠に驚き戸惑いつつ相談に加えてくれた事に喜んでもいた。
教官としての日常と、娘の妊娠に伴う様々な出来事に悩む姿を描く。
元妻の美鈴がさっぱりとしてでも素敵なお母さんとして描かれていて好感が持てる。本当なら高校生の娘が妊娠したらそう冷静ではいられないだろうけど、徹頭徹尾娘の味方で、その意思を尊重してくれる。益子の方は娘が6才の頃のイメージが残っているせいかまだ受け止めきれないような、どう対処していいのかわからないでいるのが素直な反応だろうなぁと共感する。
三人が段々と近づいていって、でもつかず離れずの距離感でそこもいいなと思った。
各章のタイトルがロックの曲名になってて、好きな人には内容との関連とかがわかるのかな。
気持ちのいいラストで楽しめた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月9日
読了日 : 2021年12月9日
本棚登録日 : 2021年12月9日

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