漂砂のうたう (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2013年11月20日発売)
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感想 : 77

読み終わるのに2週間もかかってしまった。
すごく不思議な読後感の本。
根津に、今はもうない遊郭があった頃が舞台。
遊郭の客引きの定九郎。
遊郭の中の権力争い、人気の花魁小野菊、切れ者の龍造。

夢うつつや幻が半分を占めていた昔の感じが所々に描かれながら、遊郭の現実、人権なんてなかった時代で、自由を追い求める人たちがいた。

手にしたものが、ずっとあるわけでもなく、手放したものが永遠に去ってしまうわけでもない、ポン太の、その人の芯にあるものは奪えないという言葉。

薄ら恐ろしいような、見通しているようなポン太。

途中で読むのをやめないでよかった。
面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年4月27日
読了日 : 2018年4月27日
本棚登録日 : 2018年4月27日

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