綾辻行人が描く9番目の館。その名も奇面館。
この館の当主、影山逸史は「表情恐怖症」を患っており、人と対面する際は奇面を身につける。そんな当主の催し物に鹿谷門実を含む5人の客人が招かれた。
この催し物は「儀式」と呼ばれる当主と一対一で対談したのち、談話室を用いて皆で談笑をするといったシンプルなものであるが、ただ一つ「全員が仮面を被らなければならない」というルールを遵守しなければならなかった。
はたしてこの儀式の意味は。当主の目的は。鹿谷は、これまでの中村青司の館を巡る因縁から嫌な予感を抱き続けたまま夜が更けていくのであった。
そして、明け方。見るも無惨な首無し死体が発見される。しかも死体は指がすべて切断されていた。さらに招待客を襲うのはもっと恐ろしい現実。
登場人物全員の顔がわからないというミステリーでは前代未聞の異様な状況下で、鹿谷は現在までの整理と推論を実施することが重要だと主張する。ここで大きなポイントとなるのは「消えた死体の頭」と「死体は一体だれなのか」問題。
まだ下巻は読んでいないのだが、今回もおそらく叙述トリックを仕掛けていると思うので、ギミックがあるとすれば鍵となるのは「登場人物がかぶっている奇面」であろう。それと一人称が鹿谷の時とメイドの曜子の2パターンあるのも気になる。おそらくこの二側面が物語の構造上の重要なファクターとなるのであろうかと思っているのだが、考察するよりも早く読みたい欲の方が優ってしまったのですぐさま下巻に手を伸ばすことにした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー【館シリーズ】
- 感想投稿日 : 2021年3月16日
- 読了日 : 2021年3月16日
- 本棚登録日 : 2021年3月16日
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