改めて、物語がなぜ人々にとって必要なのかということ考えさせらたインタビュー集でした。
書き手の方は、自分の残りの人生を考え、あと何作書けるだろうか、、、と思うようですが、読者の側からしても、あとどれだけ本が読めるのか?と考えてみると、意外と自分で思っているほどは読めないのかもしれません。読む時はもっと気合いを入れて読もうと思いました。
また、この本を読むまで、小説イコール筋、としか考えておらず、一人称で書くか、三人称で書くかとか、リアリスティックか非リアリスティックかなどということには、全く注意を払わず読んできましたが、そういう視点も加えて本を読むと、更に面白さが増すのかなとも思いました。
印象に残ったのは、『アンダーグラウンド』での一般の人たちから聞いた物語についてです。オウム信者の話を皮相的で奥行きのないものと感じたのに対し、サリン事件で被害に遭ったあった一般の人の話は、どれも心に、頭に、魂に残っている、という箇所です。物語というのものは、それが正直で強いものであれば、きちんとあとまで残るのだということ。
私自身が本を読む際も、無意識にその正直な強さを求めているような気がします。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年9月28日
- 読了日 : 2011年9月27日
- 本棚登録日 : 2011年9月18日
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