1875~80年、サンクトペテルブルク発行の月刊誌『ヨーロッパ通信』に掲載された作品を中心に計8篇を収録。ロレーヌ地方の美しくのどかな夏の夕べ、水車小屋の老人は、娘とベルギーから来た青年との婚約披露の準備をしている。小さな村でつつましく生きてきた名もなき人々の生活が、戦争によって一瞬のうちに蹂躙される悲劇を描いた「水車小屋攻撃」と、続く掌編「小さな村」に、現在も世界の各地でおきている戦争の無惨さを思わずにいられない。晩年、イギリス亡命中に書かれた「アンジュリーヌ」は、非業の死をとげたとされる少女と、荒れ果てた幽霊屋敷が奇跡のようによみがえる珠玉の一品。余韻が美しい
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ヨーロッパ文学
- 感想投稿日 : 2019年4月27日
- 読了日 : 2019年4月24日
- 本棚登録日 : 2019年4月27日
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