<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2010年6月17日発売)
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感想 : 179

【読書感想】「<わかりやすさ>の勉強法 」 池上彰

http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4062880547

「わかりやすく伝えたい」と 思っている人は多くても、そのためのコツは、なかなか身に付くものではありません。そこで、そのための勉強法を紹介し、読者のお役にたてればと考えました。私自身が、自覚しないまま日頃から実践してきたことを、「自分はどうやってるんだっけ」と自問自答しながら、 まとめてみました。ここに出てくる記者の仕事やキャスターの仕事、芸人さん相手の仕事な ど、読者にはあまり縁のない世 界に思えるかもしれません。しかし、実は学生にとってもビジ ネスパーソンにとっても、参考になる点が多々あるはずだと思っています。(カバー後ろの 作品紹介より)

図書館で借りた本です。 池上さんがわかりやすい説明をするために普段どのように情報を取り入れ整理しているのか、そのポイントを教えてくれています。勉強法だけでなく基本的なプレゼンの話もでているので、人前で話をする職業の人にとって読んでおいて損はありません。

池上さんはやはりすごく勉強をしているのですね。 空いた時間で複数の新聞、複数の雑誌、小説も読んだりしていて、それら情報をどうやって整理しているかも紹介されていま す。「裏紙を持ち歩いて本に挟んでおいて、気になることはメモしておいたり、しおりがわりに使う」なんてテクはそのままいただきたいと思います。図書館の本は折り曲げられないので。

学生時代からの勉強って、勉強の中身ももちろんだけど、勉強する内容に応じて自分 なりの最適な勉強法を探していくことが、かなり大事だったのかも、と最近思いま す。 私の勉強の歴史を振り替えると、各教科、各教師に応じて、どうすれば最も効率よく頭に入るかを考えたり試したりしてました。 でも極めることは全然できなくて、気がつけば頭に残ることよりも「ノートを美しく作る」ことに夢中になっていたり。結局、 中途半端な感じで大人になってしまいまし た・・・。非常に残念です。 ということで全く考えていなかったわけではないけれど、当時はあんまり「勉強の仕 方」っていうのにそこまで目を向けていなくて、勉強の中身をひたすら追ってまし た。 でももっと勉強の方法を意識したり、もっと積極的に試したり、人に聞いたりしていればよかったなぁと思います。今だとEテレの「テストの花道」など勉強の仕方を題 材にした番組もありますけど、当時はそういうのもなかったし、あんまり友人とも情報共有しなかったですもんねぇ。

池上さんは新聞とか雑誌とかの紙媒体だけ でなく、ネットも見るしAmazonもよく使うそうです。Amazonのカスタマーレ ビューの使い方については以下のように述べています。

私もレビューは読みます。 その際、そのレビューが文章と して優れているかどうかに注目します。文章として優れているとは、感情的でなく冷静な筆致で、論理的な文章になっている か、ということです。(本文より引用)

私もレビューに関しては同意見で、特に「主語が『私は』『私にとっては』になっ ているか」とか「きちんと主観であること を明記できているか」に注目しています。 本なんて、読み手によって面白いか面白くないかは違うもので、そしてそれでいいものなのです。読む側の生活環境とか生い立ちとか時代によって面白さはかわるし、同じ人間でも20代のときの自分と30代の自分では感じ方は変わります。 だからそのときの自分にとって面白くないからといって「この本は読む価値がない」 とか「駄作だ」と決めつけた言い方をするのは違うような気がするのです。 「私にとっては価値がない」「私にとっては駄作に値する」と主語が明記されているレビューは結構信頼できる気がします。私も感想文は「自分にとっては」という点を意識して書いてるつもりです。(足りてな かったらごめんなさいね)

あと思わず頷いたのは「伝えることは情報の呼び水になる」というところです。

私は、いまのようにテレビで話をするようになる前から、本を読むのは好きでしたし、とりわけ、ノンフィクションをたくさん読んでいました。 それが、ニュース解説をするようになってから、一段と本を効率よく読めるようになった気がします。たとえば、「裁判員制度や日銀について何日後に人に説明しなければいけない」ということがあります。そのために ポイントを読み取る本の読み方ができるようになりました。
(中略)
これは、別に私だけのことでは ありません。 誰でも、その人なりの呼び水、 すなわちアウトプットの機会を 持てば、よりいっそうインプットも進むのではないかと思うの です。 (本文より引用)

まさに私もそうで、こんな読書感想文をなぜシコシコ恥ずかしげもなく書いているかといえば、単純に「この本面白いから読んでほしい!」というのもあります が、読んだ内容や自分の考えを整理するの に都合がよいからです。 書くようになってから、読書したものが頭 に残るようになったし、ある出来事や物事 について自分はどういう考えをもっているのか振り返るようになったし、文章力を鍛えるのにものすごく役立つとわかりまし た。
オープンな環境であまり激しく主義主張すると火事になったり、知らぬうちに相手を傷付けてしまうこともあるかもしれないので、すごく書き方や言い回しに悩みます。 (気を付けてるけどすでに不快に思っている人もいるかもしれません。その場合は配慮いたらずスミマセン。)

お前はどこにむかってるんだ?!という話ではありますが(笑)とにかく鍛えられてい る感じです。多分感想文書かなければ今の倍は本を読めると思うんですが、ゆっくりペースでも自分的には地味に大事なんですねー。この感想文。 多分若い頃はこんな恥ずかしいこと無理だったでしょう。もうメンタルがおばちゃ んになってきたから羞恥心が目減りしてるんでしょうね、きっと(笑)
オホホ。

読む本も、最初は小説だけでしたけど、ビ ジネス書とかエッセイとか都市伝説ものと か漫画とかとにかく読みたいと思う本の ジャンルがすごく増えてきました。アウトプットがインプットの呼び水になってるなぁと、本当に思います。

私としては仕事にも役立ちそうだし、自分の基本的な情報収集にも役立ちそうだし、読みやすいしとても良かったです。 片隅においておいて、基礎を思い出すとき に読み返したい本です。
図書館の本だから返さないといけないんですけどね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年3月9日
読了日 : 2013年10月31日
本棚登録日 : 2017年3月9日

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