この絵本のことを何で知ったのだろう。新聞記事かな,それともだれかのFBだったかな。この絵本は,チリンという羊の子どもとウォーというオオカミとの物語。
ウォーは,チリンのお母さん羊を食べてしまったのですが…。
一方的な悪はいない,というのが作家やなせたかしさんの世界です。あの有名なアンパンマンに出てくるバイキンマンも,どこか憎めません。下手をすると,バイキンマンの方が人気があるかもしれませんよね。ドキンちゃんも同じ。あの悪役がいてこその「アンパンマン」です。
「チリンのすず」には,自然界の掟(弱肉強食)を否定する意外な内容が出てきます。が,それは新しい弱肉強食の世界でもあります。チリンは,その矛盾に気付くのですが,どうすることもできません。
あなたが「わたしの敵だ」と思っている人は,あなたを育ててくれた人ではありませんか? その人がいなかったら,今のあなたはありますか? そんなことを自問自答することでしょう。
合掌!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
子ども向け
- 感想投稿日 : 2021年11月18日
- 読了日 : 2021年11月18日
- 本棚登録日 : 2021年11月18日
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