影の権力者 内閣官房長官菅義偉 (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社 (2016年1月21日発売)
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菅義偉氏の生い立ちと、官房長官まで
影の横浜市長、影の総理である、菅義偉氏の人となり、その男の素顔とは

田中角栄との対比、そして、類似
師、小此木彦三郎、梶山静六
野中広務、小沢一郎、加藤紘一らとの確執
岸信介、そして、安倍晋三との出会い

気になったのは以下です。

・自民党が結成されたのは、1955年11月だ。そこに至る保守合同を主導したのは岸だった。
・総裁選は権力の正当性を占う試金石であり、総裁選がなければ自民党は切磋琢磨するところがないのである。
・土着の匂いがする。清濁併せ呑むタイプの政治家が今やいなくなったと言われて久しい。田中角栄がその典型であった。
・田中角栄母、「人間は休養が必要である。しかし休んでから働くか、働いてから休むか2つのうち、働いてから休むほうがよい。金を貸した人の名前は忘れても、借りた人の名前は絶対に忘れてはならない」
・集団就職の検討で、「ここにいたんじゃ、自分のやりたいことはできない。東京に出ればなんとかなる」
・義偉は踏ん張っただけではない。苦労と努力とは違う。義偉は苦労のうえに努力をした。
・最初の横浜市議選で、「自民党のしがらみや悪い面を最初の選挙ですべて見てしまった」
・群れようとしないで、一人屹立している
・李広将軍、「桃李もの言わざれども、下自ずから蹊(けい:小道のこと)を成す」、桃やすももは、何もいわないけれど、その花や実にひかれて、人が集まり、その下に自然と道ができる 
・田中角栄「人間は欲の塊だ。だから、その人間を引き込もうとするなら人間の欲の好きなところを突けばいい。地位、名誉、カネ、などの欲があるのが政治家。感情と欲で動いているんだ。欲のない奴はつかみようがない」
・最後は自分で決める。党に守ってもらうことはもう考えなくなった
・「耳障りのいい話はあげなくていい。手厳しい話こそ上げてくれ」
・「細かいことにこそ気を配ることが大事なんだ」
・「菅義偉は味方なら心強いが、敵に回したらこれほど怖い男もいない」
・菅が好んで使う言葉に、「約束」がある
・田中角栄、「いい政治というのは国民生活の片隅にあるものだ。目立たずつつましく国民の後ろに控えている。吹きすぎていく風―政治はそれでいい」

目次

第1章 血涙の歴史の落とし子
第2章 集団就職の世代
第3章 小沢一郎と菅義偉
第4章 権力闘争の渦中で
第5章 安倍政権の中枢で
第6章 権力を体現する政治家
あとがき
参考文献

ISBN:9784062197427
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:336ページ
定価:820円(本体)
発売日:2016年01月20日

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感想投稿日 : 2023年7月11日
本棚登録日 : 2023年7月9日

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