老いの才覚 (ベスト新書)

著者 :
  • ベストセラーズ (2010年9月9日発売)
3.41
  • (44)
  • (96)
  • (129)
  • (35)
  • (10)
本棚登録 : 1009
感想 : 158
5

「老人よ。人に頼らないで、自立しよう」が、メッセージ

心に残った言葉は次です。

・若者に席を譲ることを要求している老人がいるが、要求される前に若者が席を立つのが望ましい。とは思いますが、老人だからといって譲ってもらう権利があるとふんぞり返っていいものでもありません。
・最近は機転の利かない老人であふれている、それは、基本的に苦悩がなくなったから
・日本は経済大国なのに、どうして豊かさを感じられないのか。それは、貧しさを知らないから豊かさがわからない。
・格差社会と言われているが、日本ほど格差のない国はない。
・昔の老人には遠慮という美しい言葉がありました。
・かつては、損のできる人間を育てるのが、教育の一つの目標でした。
・言葉が極度に貧困になった、その原因の一つは読書をしなくなったから。もう一つの理由は作文教育がきちんとなされてこなかったから。
・今すぐにでも徹底して、読み書きの訓練をしないと日本は滅びると思います。

・老人だろうと、若者だろうと、原則はあくまで自立すること
・自立とは、ともかく他人に依存しないで生きること、自分の才覚で生きることです。
・老人といえども、強く生きなければならない。歯を食いしばってでも、自分のことは自分でする。
・人はその時その時の運命を受け入れる以外に生きる方法はありません。
・愛情というのは手を出すことより、むしろ見守ることだ。
・老いて、自分の能力がだんだんと衰えてきたら、基本的に、生活を縮めることを考えなくてはならない。荷物も自分がもてなくなったら、持たないこと。
・誰でも人は何かを得ようとしたら、対価を払わなければならないんです。年寄りといえども、この原則を忘れてはいけないと思います。
・性悪説に立てば、人と付き合っても感動することばかり

・人は死ぬまで働くのが当たり前。
・老人が健康に暮らす秘訣は、生きがいをもつこと、つまり、目標を持つことだと思います。
・「何をしてもらうか」ではなく、「何ができるか」を考える

・親しき仲にも礼儀あり。友達だけでなく、夫婦や、親子の間でも必要ですね。私たちは一生、だれにも甘えて不作法をしてはいけません。

・他人のお金をあてにしなければ自分の生活が成り立たないというのは、どこかおかしいと思います。
・お金は怖いものだと思いなさい。
・見栄を張っても仕方ない、と気づく。分相応を知ることは、長く生きてきた者の知恵だとおもいます。
・老年は、一つ一つ、できないことを諦め、捨てていく時代。
・孤独はお金があってもたぶん解決できない。孤独との付き合いは、老年にとって、一番勇気のいる仕事です。
・結局のところ、人間は、一人で生まれてきて、一人で死ぬ。家族がいても、生まれてくる時も死ぬ時も同じ一人旅です。
・この生涯はほんの短い旅にすぎない。死を認識すれば、死ぬまでにやりたいことが見えてきます。
・失ったものを数え上げずに、持っているものを大切におもうこと。
・一生の間に、ともかく、雨露を凌ぐ家に住んで、毎日食べるものがあった、という生活をできたなら、その人の人生は基本的に「成功」だと思います。


目次は、以下の通りです。

第1章 なぜ老人は才覚を失ってしまったのか
第2章 老いの基本は「自立」と「自律」
第3章 人間は死ぬまで働かなくてはならない
第4章 晩年になったら夫婦や親子との付き合い方も変える
第5章 一文無しになってもお金に困らない生き方
第6章 孤独との付き合い、人生をおもしろがるコツ
第7章 老い、病気、死と慣れ親しむ
第8章 神様の視点を持てば、人生と世界が理解できる

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年4月15日
本棚登録日 : 2021年4月11日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする