残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

著者 :
  • 幻冬舎 (2010年9月28日発売)
3.67
  • (153)
  • (303)
  • (240)
  • (55)
  • (18)
本棚登録 : 2375
感想 : 326
3

進化心理学をベースにして、幸福の追求について淡々と合理的に私情を交えず述べられている.
ドライな文章は橘玲の持ち味だ.

評判獲得ゲームに基いて、金銭的報酬がなくても人のインセンティブは高まる.
世界を下記のように分類すると、人間の行動も理解しやすくなる.
「愛情空間」=家族や恋人、「友情空間」=友人、「政治空間」=先輩後輩・上肢部下など、「貨幣空間」=貨幣でつながる空間

多様性と流動性のあるバザールではネガティブな評判を恐れる理由はない.不都合な評価を押し付けられたらさっさとリセットして自分を高く評価してくれる場所に移っていけばいい.
一方、いったん伽藍に閉じ込められたら外にはでられないのだから、そこでの最適戦略は匿名性の鎧でネガティブな評価を避け、相手に悪評を押し付けることだ.
日本の村社会、会社、学校など日本には「伽藍」が沢山残っている.なので自殺も多い.
生き残るためには伽藍(閉じられた場所)を捨てて、バザール(開かれた場所)へと向かわなくてはならない!

勝ち組=恐竜の頭=ショートヘッド、負け組=恐竜の尻尾=ロングテイル.だが流通コストが減少したネット社会ではロングテイルの中にもショートヘッドが存在して階層化されている.ニッチなニーズは必ずある.

でも橘玲は心理学より経済を題材にした話のほうが面白いなあ.

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 社会学
感想投稿日 : 2013年3月15日
本棚登録日 : 2013年3月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする