『隅の老人』シリーズで知られるバロネス・オルツィの歴史ロマン小説。
18世紀末のフランスとイギリスを舞台に、秘密組織「スカーレット・ピンパーネル(紅はこべ)」の活躍を描く。
フランス革命下において、次々に捕らえられ、処刑される貴族たちを救出し、亡命させる謎の一団。
大胆不敵で変幻自在のリーダーを追跡する、共和政府とのスリリングな攻防。
イギリス貴族と結婚したフランス人女優の、夫への葛藤と擦れ違い。
リーダーの正体や土壇場での奇策など、謎とされるファクター自体は難解ではないし、欧州一の才女と謳われるヒロインの浅薄さが若干鼻につくものの、恋と冒険のエンターテインメントたる面白さは失われていない。
さらに、著者が、ハンガリーの由緒ある貴族の出身であること。
幼少期に小作人の反乱に遭って、家族と共に、ベルギーやフランス、イギリスへと移ったこと。
当初、イギリスで舞台化された『紅はこべ』が大盛況であったことetc.。
このような、フランス革命に対する周辺諸国(貴族階級)の反応や、当時の社会情勢が大きく反映されている点も見どころの一つだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(歴史物・時代物)
- 感想投稿日 : 2022年11月4日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2022年11月4日
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