大学生の頃から繰り返し読んでいる。
辻仁成さんのblueの方も対として読んだけれど、それぞれが男性と女性の視点から語られているのでどうしてもrossoを読み返すことが多く、かつ共感する部分が多い。
江國さんの本が好きな理由は主に2つ。
ひとつ目は、江國さんの文章そのもの。
江國さんの小説、エッセイは書き方が他には無い書き方で、瑞々しくそれでいてからっと乾いていて軽やかで良い香りがするような文章。そして独特の表現。(特に恋愛について)変わった表現だなと思うのに、どこかしっくりきて共感してしまう不思議さに魅了されて、一時期江國さんの本をかなり集め、片っ端から読んでいた。
ふたつ目は、繰り返し読んでいると、読み返すたび自分が共感する部分、フレーズが変化するところ。
この本についても、フェデリカの「人の居場所なんてね、誰かの胸の中にしかないのよ」という言葉にも初めて読んだ時は「居場所を誰か自分以外の人に委ねるなんて、不安定すぎる」と思った。でも時間を経て、心を預けられるような人との出会いを重ねたあと読むと、全く違う言葉のように聞こえる。
学生時代の思い出も蘇るから懐かしさもあり、読むたびに見方が変わる新鮮さもある大好きな一冊。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年7月27日
- 読了日 : 2019年7月24日
- 本棚登録日 : 2019年7月24日
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