横山秀夫の処女作。
大幅な加筆修正の末、傑作に仕上がっている。
取調室の緊迫した描写は、横山の味が存分に出されていて、それだけでも一読の価値あり。
トリックという面では詰めの甘いところもあるが、その詰めの甘さも含めて「過ぎ去った青春の苦味」と評価したい。
時効という現代日本ではさほど意味を為さなくなった概念と、三億円事件という昭和最大にセンセーショナルな出来事を、うまくホワイダニットの枠に落とし込んでいる。
①魅力的な謎……4/6
②精緻なサスペンス……5/6
③鮮明な結末……5/6
④印象的な文章表現……5/6
⑤先鋭的なテーマ性……4/6
計23/30
星4
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2020年6月14日
- 読了日 : 2020年4月15日
- 本棚登録日 : 2020年6月13日
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