ある晴れた夏の朝

著者 :
  • 偕成社 (2018年7月13日発売)
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読み終えて感慨に耽っています。というのも、私がここに書かれてある歴史的事実を知るまでには、随分長い時間と少なからざる労力を要してきたからです。というのも、こういった事実が記された書籍に私のような一般読者が手軽に触れられるようになったのは、ここ20年前くらいからだと思うのです。さらに、驚くべきことに40年前くらいまでは、「日本人は好戦的で、日本は侵略国家だった」と教える社会科の先生が普通にいました。歴史を客観化して見ない、のちにいう自虐史観が植え付けられていたのです。

また、ここに書かれたディベートから教わった大切なことがあります。それは、知識は学ぶことがゴールではなく、活かすことが大切ということです。自分一人が納得するだけじゃなく、共感の輪を広げていくことの大切さですね。日本の社会はとかく、熱意・誠意・根性という言い方で非論理的なものに価値をおき、論理を理屈と言って嫌います。教育現場では、知識を活かすことの大切さを学ばせ、本書に登場するような人たちと交流するときや、国際社会においても敬意を持たれるような日本人を一人でも多く育ててほしい。

本書は作者が論点を列挙し、整理するようにディベート形式で表現されていますが、戦争終結の手段として原爆が肯定されるかどうかは、今起こっているウクライナ・ロシア戦争に置き換えれば、使用の可否の結論は自ずと出てくるものと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月10日
読了日 : 2023年6月10日
本棚登録日 : 2023年6月10日

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