スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年1月15日発売)
4.33
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本棚登録 : 18128
感想 : 1601
5

上巻は気になる終わり方だったが、下巻の序盤で止まってしまっていたものを上巻から再読。評価の高い本というイメージだったが、わたしには合わないのかな?と思っていたら…途中からもうページをめくる手が止まらなかった。個性豊かだけどもやっぱりみんな温かくて、人間味のある素敵な人たち。心温まる物語だった。上巻から引っかかっていた部分の怒涛の伏線回収があって、もう一度読み直したい。







★「ずるして手に入れた幸せは、長続きしたらいけないの。私はそんなの認めない」

★「小学校時代の彼らを恨みに思う代わりに、僕はそうやって僕と対等に接してきてくれた人たちに、人一倍感謝ができるようになった。僕はそういう自分を、それなりに誇りに思ってる」

★不幸に依存する人間は、誰かにその状態を見せるところまで含めてが、1つの儀式なのよ。

★「人間の運の良さって、最初からある程度決まってるんじゃないかなって思うんだ。」

★『人間は、「優しさ」か「強さ」か、そのどちらかを持っていなければ生きていくことなどできず、たいていはそのどちらか片方だけに目が行きがちだが、けれど人は意外とその両方を持ち合わせていると言う話。』

★人間の行動の真意なんて、所詮は受け取る側の気持ち1つによる。そしてそれはきっと、どれもがどれもそれぞれに正しい。

★私はずっと、いろんなものを守らなきゃって思って生きてきたけど、本当はずっと守られて、支えられていたんだってことを思い知る。

★かっこつけたいっていう考え方は、それを見ている誰かの目線なしにはありえない。

★「世界と繋がりたいなら、自分の力でそれを実現させなさい」

★挫折し、諦め、折り合いをつける事は、嘘をついて手に入れた幸せや楽しみよりきっと価値がある。

★「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月16日
読了日 : 2022年5月16日
本棚登録日 : 2022年5月16日

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コメント 3件

さてさてさんのコメント
2022/05/17

よもぎもちさん、こんにちは!
この作品、読了後時間が経ってしまったのですが、再読したい作品の筆頭です。お書きになられている通り、私もページをめくる手が止まらなくなりました。辻村さんの作品は他の作品の登場人物が色々なところで登場してトータルで読むと面白さがどんどん増していくと思いますが、この作品はその中でも要の一つですよね。幾つか抜き出されていらっしゃいますが、私はチヨダ・コーキの次の言葉に救われてきました。改めて素晴らしい作品だと思います。

『いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形が変容していく』。

よもぎもちさんのコメント
2022/05/17

さてさてさん、コメントありがとうございます!
辻村さんの作品はやはり繋がっているんですねー!まだまだ読んでいなくて、すごろく順に読んでいく予定です♪
次の作品も楽しみに読みたいと思っています♪

さてさてさんのコメント
2022/05/17

よもぎもちさん、ありがとうございました。
すごろく順、そうですね。たくさんありますが、とても読み応えのある読書だと思います。レビューを楽しみにしています。
今後ともよろしくお願いします。

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