「鉄輪」はとても哀しい話だった。平安の世においての恋愛はほんとうに身を破滅させるだけの熱量をもって行われていたのだな、と。恐ろしいやら、素敵なもののような気がするやら。博雅が涙ながらに生成になってしまった女に、自分を喰って楽になるならそうしてくれ、と訴えかける場面は、晴明が「よい漢」と表現する理由がとてもよくわかる。
たびたび話題にあがる例の歌合せの様子がつまびらかに語られていて、平安京の華やかさに思いを馳せてしまう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2024年2月29日
- 読了日 : 2024年2月26日
- 本棚登録日 : 2024年2月29日
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