「日本」論 東西の“革命児”から考える

著者 :
  • KADOKAWA (2018年6月22日発売)
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感想 : 4

危機の時代をどのように抜け出すかというとき、必ずわれわれが立ち返るべき人が何人かいて、そのうちの一人が日本では日蓮であり、ヨーロッパ、特にドイツを考える文脈においてはルターなのだそうです。
日蓮の『立正安国論』とルターの『キリスト教の自由』を読んでいけば、トランプの大統領就任演説の意味にもつながり、宗教と政治の現実が見えてくるはず、と。

この本は2017年2月3月4月朝日カルチャーセンター新宿教室での講義を大幅加筆修正再構成したもの。
今までなんどか佐藤優さんのこの手の本を読んできましたが、そのなかで面白いほうじゃないかなあ。本論とはずれた話が。あ、それいつもだったかしら。
今回は「日本で「革命」はあった」のところで、佐藤さんが隠岐島に行った話がとても面白かった!
ここに内容は書かないです。読んでください。

ヒトラーが最も尊敬する過去の偉人はルターだと言っています。
その話聞いたことあって、不思議に思っていたのです。
〈結局、優れた宗教思想には、常に両義性があるということです。
後世の解釈によって、ルターからものすごく危険なものも生まれてくるし、それは日蓮においても同じではないかと思います〉と佐藤氏。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 池上・出口・佐藤
感想投稿日 : 2018年9月28日
読了日 : 2018年9月28日
本棚登録日 : 2018年9月28日

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