大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版 (2016年11月8日発売)
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本棚登録 : 292
感想 : 26

最近佐藤優さんの本をたてつづけに読んでみて思うのは、
「彼の本は私レベルの読者にとって当たりハズレがあるのだ」ということです。

当たりは『使える地政学 日本の大問題を読み解く(朝日新書)』
『大世界史 現代を生きぬく最強の教科書(文春新書)』
『世界史の大転換(PHP新書)』
『新・リーダー論 大格差時代のインテリジェンス(文春新書)』です。

ハズレは2月に読んだ『ゼロからわかるキリスト教』『性と国家』。
自分のレビューをあらためて読んでみると、
「読んで良かったこと」を「なんとか絞り出して記録している」のがよくわかります。

今回のこの本は大当たり!!!
隅から隅まで、すごく面白いです!!

この本では、歴史と地理という方法論を用いて、英米、ドイツ、ロシア、中東、中国という「大国の掟」を立体的に理解する訓練を行います。

でもそれ以外の国々の事件もたくさん登場しています。
一例をあげれば、ビンラディンのこと、私は「稀代の悪人だ」と、ずっとずっと思っていたのですが、
この本を読んだら「彼の気持ち、わかる。私はそっちの人間かも…」と思ってしまいました。

世界の複雑な情勢を読み解く知力に加えて、私たちには「人間力」も要請されています。
人間力とは、論理の外にある感情を理解し、他人の気持ちになって考えることができるということです。
私たちは平和な世界や良い世界を築くために、「世界を読む力」を身につけなければならないのです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 池上・出口・佐藤
感想投稿日 : 2018年4月4日
読了日 : 2017年3月1日
本棚登録日 : 2017年3月1日

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