マイルス・デイビス自叙伝 (1) (宝島社文庫)

  • 宝島社 (1999年12月1日発売)
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感想 : 30
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長い、けどとても面白かった。自伝にして面白い人物ナンバーワンだろう。とにかく自分のスタイルで、自分がやりたいようにやる、を貫いた人。自分を信じる力と虚栄心が強烈にある。それと黒人差別への反骨心。
ミュージシャンとしての才能は、個人の演奏技術は他にも優れた人がいたけど、マイルスは指揮者の能力、音楽をプロデュースする能力、自分を演出する能力で帝王になったと思う。読んでそれが良くわかった。
いつ誰と組んでどういう曲に取り組んだか、レコードが残っているからできるのだろうが、途方もなく入れ替わりの激しいメンバーの名前と挿話を語ることができる、凄い記憶力に驚く。
女づきあいも激しくて、印象としてマイルスの女はトロフィーワイフなんだなと。つまり人に羨ましがられるような女をつれて歩きたいという。いい女とつきあえる立派な男のオレってやつ。まあ、大体の男がその志向だろうし、正直で良いのでは。。
あと、麻薬。よくあんだけやってて60過ぎるまで生きられたな。有名な人たちが軒並み3,40代で死んでいく中で。
ロックなどに押されてジャズが売れなくなっていくと感じたら、帝王でも新しいことに取り組む、同じ曲を同じように演奏するオルゴールをやる気はない、だから新しい人と組む、新しい機材使う、っていう貪欲さは芸術家として素晴らしいと思った。マイルスでは前期のものばかりきいていたが後期のものも聴き始めるきっかけになって楽しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 05ノンフィクション
感想投稿日 : 2020年9月16日
読了日 : 2020年9月16日
本棚登録日 : 2020年9月16日

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