縛られたプロメーテウス (岩波文庫 赤104-3)

  • 岩波書店 (1974年9月17日発売)
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感想 : 14
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(2015.08.23読了)(2015.08.22拝借)
どのような物語なのかと問われても、説明の難しい本です。
主人公の『プロメテウス』をネットで検索してみると以下のような解説が出ています。
大辞林 第三版の解説
プロメテウス【Promētheus】
ギリシャ神話のティタン神族の一人。アトラスの兄弟。先に考える者,の意。粘土から人間を創ったとされる。天上の火を人間のために盗み与えたことで,ゼウスの怒りをかい,カフカス山の岩に鎖で縛られ,鷲に肝臓をついばまれるという責め苦にあうがヘラクレスに救われる。

この物語は、岩山に縛られているプロメテウスとゼウスの部下やゼウスの息子たち、プロメテウスの親族たちとの対話劇のようです。
プロメテウスは、ゼウスの意に反して人間に火を与えたために永遠の責め苦にあっているけど、後悔することはなく、未来に予見されている「ゼウスが権力の座を追われ、自分が解放される」日を待っている、という物語です。(多分)

アイスキュロスの著作は、これで三冊目ですが、「テーバイ攻めの七将」が一番わかりやすかったかな、と思います。
とはいえ、ソポクレスの「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」「アンティゴネー」と合わせて読んだからと思います。

●人間の技術(44頁)
人間のもつ技術(文化)はみなプロメーテウスの贈り物と知れ。
●希望(46頁)
うれしいことです、もし人が、明るく輝く喜悦の中に心を養い、確信に満ちた希望に、長いその一生を過ごせたならば。

☆関連図書(既読)
「オイディプス王」ソポクレス著・藤沢令夫訳、岩波文庫、1967.09.16
「コロノスのオイディプス」ソポクレス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.04.16
「テーバイ攻めの七将」アイスキュロス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.06.18
「アンティゴネー」ソポクレース著・呉茂一訳、岩波文庫、1961.09.05
「ソポクレス『オイディプス王』」島田雅彦著、NHK出版、2015.06.01
「アガメムノン」アイスキュロス著・呉茂一訳、岩波文庫、1951.07.05
(2015年8月23日・記)
(amazonより)
天界から火を盗み出して人類に与えたプロメーテウス。主神ゼウスの怒りをかい、彼はいま酷烈な刑に服すべく岩山に縛りつけられようとしている。ギリシア三大悲劇詩人の一人アイスキュロス(前525/524-456)はこの神話の主人公を、勇気に満ち堂々と神に対抗する力強い姿に描き出した。強い詩的感動を呼ぶ一篇。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2015年8月23日
読了日 : 2015年8月23日
本棚登録日 : 2015年8月22日

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