未知への旅立ち: アインシュタイン新自伝ノート (小学館ライブラリー 8)

  • 小学館 (1991年7月1日発売)
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感想 : 1
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(2014.11.22読了)(2012.03.16購入)
【ノーベル物理学賞】1921年
副題「アインシュタイン新自伝ノート」
この本は、アルバート・アインシュタインの伝記資料集です。「自伝スケッチ」と「自伝ノート」は、本人の書いたものです。「自伝」とはいっても、「研究展開史」の趣が強いので、理論物理を勉強している人じゃないと内容の把握は困難のようです。少なくとも、僕には把握できませんでした。
それ以外は、秘書の日記と妹の思い出ですので、アインシュタインがどのような人だったのかを垣間見ることができます。
ヘレン・ドゥカスは、1928年から1955年までアインシュタインの秘書を務めました。アインシュタインが亡くなったのは、1955年4月18日ですので、亡くなるときまで、秘書を務めていました。「アインシュタインの死」は、アインシュタインの最後の一週間ほどの様子を綴ったものです。よぶんな手当を拒んで、ひたすら我慢しながら自然に亡くなるのを望んだ様子が描かれています。彼が望めば、どのような治療でも可能だったでしょうに、植物状態は、いやだったのでしょう。

【目次】
はじめに
アインシュタインの秘書の日記  ヘレン・ドゥカス
兄、アルバートの思い出  マヤ・ヴィンテラー=アインシュタイン
自伝スケッチ  アインシュタイン
自伝ノート  アインシュタイン
アインシュタインの死  ヘレン・ドゥカス
解説  金子務
人名索引

●晩年のアインシュタイン(99頁)
彼は決して、言葉の真の意味で、痛みを訴えるといったことがなく、事実を報告するだけだった。彼は、避けられない場合を除いて、何も要求せず、いつものように本を読み、仕事をして、再び体調がよくなるまで忍耐強く待った。
●本当の生活(100頁)
彼の本当の生活は自分の仕事だった。―そこにおいて彼は生きた。そのほかは、すべて末梢的なことだった。
しかし、来客があったときに彼は、仕事を邪魔したといった感じを彼らに決して抱かせないようにした。
●理論と経験(226頁)
理論は経験によって吟味されることは可能だが、経験から理論を作りだす方法は何ら存在しない。

☆関連図書(既読)
「物理学はいかに創られたか 上」アインシュタイン、インフェルト、岩波新書、1939.10.30
「物理学はいかに創られたか 下」アインシュタイン、インフェルト、岩波新書、1940.01.30
「相対性理論」アインシュタイン著・内山龍雄訳、岩波文庫、1988.11.16
「アインシュタインの発想」小野健一著、講談社現代新書、1981.06.20
「アインシュタイン伝」矢野健太郎著、新潮文庫、1997.06.01
「アインシュタインの夢」アラン・ライトマン著・浅倉久志訳、ハヤカワ文庫、2002.04.30
(2014年11月22日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
死の3か月前に書かれた自伝スケッチ、妹マヤが幼い日々を語ったメモワール、秘書の日記など、日本のアインシュタイン研究の第一人者が本邦初訳の資料で、20世紀の巨人を浮き彫りにした好著。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 物理・化学
感想投稿日 : 2014年11月22日
読了日 : 2014年11月22日
本棚登録日 : 2014年11月19日

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