桜に梅、鳥、川といった、
身近な自然の描写がとても美しく、
庄左衛門の周りで起こる出来事、人間模様、
進んでいく物語が、その描写に包まれているようで、儚くも力強くて、派手さや強いインパクトはなくても、引き込まれていく作品だった。
***ネタばれ***
志穂の庄左衛門を慕う想いが、なんとも言えず、そっとこのままにしてあげたい気持ちにもなり、そしてそれとまた違う弦之助が庄左衛門を慕う想いと合わせて、庄左衛門の人となりが伺え、この3人の行く末に想いを馳せられました。
物語の最後、庄左衛門の旧友である堅吾が彼を訪れ、語り合っている場面の、「また3人で会いたいものだ」という堅吾の言葉が、それは永遠に叶わないのと、何も知らない堅吾とそして、慎造に対する庄座衛門の気持ちを考えると、とても切なくて、何か心の奥にぐっとくるものがあり、物凄く印象に残りました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年3月15日
- 読了日 : 2022年3月14日
- 本棚登録日 : 2022年3月12日
みんなの感想をみる