山椒大夫・高瀬舟・阿部一族 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年6月22日発売)
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本棚登録 : 641
感想 : 34
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『高瀬舟』
安楽死がテーマの話だった。
しかも、江戸の本から拾ってきた話だそうだ。
そんなに昔から「安楽死」が問題提起されているとは知らなかった。
苦しむ人を死なせて楽にしてやることは悪か。
そのテーマが人を昔から悩ませていることに私は安心を覚える。

『山椒大夫』
この母さんはどうしてお財布を他人に預けたりしたんだ?と思うが、森鴎外的にはそれが高貴な人のイメージなのかもしれない。
人買いにさらわれると気づいた瞬間に入水した召使いと弟だけは寺に逃して、女だから寺に入れない自分は自殺した姉は現実派だなぁと思った。
ぼんやり派の母と弟だけ生き残って、再会してもあんまり喜べないんだよな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説
感想投稿日 : 2022年11月23日
読了日 : 2022年11月23日
本棚登録日 : 2022年11月23日

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