一人称で語られるSとのうすら寒いホラー(ファンタジー?)短編6本。
手触りの悪いエピソードばかり・・・ただ一皮むけば人間みんなこんなもんかとも思います。
普段我々読み手は「思うだけ」でとりあえずやり過ごしているけれど、「よし、殺そう」とか「面倒だからやるしかないか」とか、割と気軽にイケないことをやってしまう語り手。
ある意味この人は読み手の我々に代わってやってくれているのかと思う。
はなはだよろしくない行為が連なっているのに、抵抗なく受け入れてしまいましたー。
読んだ後味の悪さに「あぁ、やっぱこれはやるもんじゃなくて、読むもんだな」と再確認させてくれる。
各作品すべて語り手も状況も相手も何もかも違うけれど
語り手が一人称(自分)であること、相手がSと称されること、それとちょこちょこ顔を出す小道具が不思議な幻惑を呼ぶ一冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
まじめな本
- 感想投稿日 : 2018年2月16日
- 読了日 : 2018年2月16日
- 本棚登録日 : 2018年2月10日
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