鉄瓶長屋で事件が起こる。
店子の娘が兄を手にかけてしまったという。
そこからはじまる差配人の出奔、らしからぬ差配人の出現、相次ぐ店子の家移り。
日常ののんびりした風景にさしはさむ影・・・。
ぐうたらした町役人平四郎のキャラクターのおかげか、町人と役人の間はぎすぎすしておらず、そこに忍び寄るぼんやりと暗い影を追うミステリーとして仕上がっています。
定町廻り平四郎、中間の小平次、長屋の良心ともいえる世話好きのお徳、若き差配人佐吉、佐吉が引き受けた迷子長助、元売春婦のおくめ、平四郎の甥っこ弓之介、隠密廻り黒豆とたくさんの愛すべきキャラクターが出てきます。
ついつい先へ先へとページを繰ってしまう。
謎を共に追ってゆくのも面白く、日常の風情もよく、とてもよいお話。
まだ続くようなのでうれしい!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
まじめな本
- 感想投稿日 : 2019年1月14日
- 読了日 : 2019年1月14日
- 本棚登録日 : 2018年8月24日
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