晋の文公。
春秋五覇の1人であり、斉の桓公と並び称される明君とされている。
しかし、その半生は流浪の身であり、辛苦を味わい続けた人物であった。
上巻では、文公の祖父、称が主人公。
じっと待ち、好機と見れば、それをものにする。
諡の武公に恥じない明君であると感じた。
中巻では、称が死に、晋の混乱期が現出する。
やはり、明君のあとの君主は苦労するのだろう。
王朝や、政権が安定するのは、創業者の次の代が安定するか否かであることを示してくれているのではないだろうか?
下巻は、重耳が文公となり、覇者への道を歩んだ。
下巻は、文書が軽やかで一気に読んでしまった。
古代中国史は礼節に始まり、その礼節をどう打破したかが次代への布石になっているように感じる。
筆者の細やかな歴史の記述は頭が下がるばかり。
次は介子推を読もうと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年7月16日
- 読了日 : 2021年7月16日
- 本棚登録日 : 2021年3月20日
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