世の中でまかり通っている「科学的な」論理ってのは、そのほとんどが仮説だ、という著者の主張がとてもわかりやすい文章と具体例で書かれている。
読み進めていくうちに、科学の本というよりは、文系的な哲学の本のように思えてきた。データがどうのこうのというよりは、著者の結論が「相手の立場になって物事を考える視点の大事さ」だったからだ。
世の中の人間は、あるメガネをかけて生きている。それはその人にとっての「常識」とも言うべきもので、普通、そのメガネをかけていることすら意識しない。
著者も書いていたことだが、まずは、自分がどういうメガネをかけているのかを自覚したほうが、世の中をもっと様々な角度からみることができるできるようになる。もちろん、それがいいかどうかは別にして。
少なくとも個人的には、できるだけ正確なメガネをかけて生きていきたいと思う。そのためには、世の中の人間がかけているメガネに、どれぐらいの種類があるのかを想像するのと同時に、目の前の友達の立場にたって物事を考える習慣が必要だ。
その習慣づくりをサポートするひとつのメガネのかけかたとして、本書は助けになったと思う。
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- 感想投稿日 : 2012年9月3日
- 本棚登録日 : 2012年9月3日
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