女ぎらい――ニッポンのミソジニー

著者 :
  • 紀伊國屋書店 (2010年10月6日発売)
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本棚登録 : 1214
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再読。「読むと不愉快になる」と帯に堂々と明示してある本ですが、私は読んでいて不愉快というよりむしろ辛かったです。なぜ私は私のことが嫌いなのか、今まで無意識に考えるのを避けていたことをはっきりと眼前に突きつけられた感じ。特に後半は、一文一文が鋭利な刃物になって心臓を抉ってくる。

上野的に言えば、私は典型的な「女の顔をした息子」で、それでいて紛れもない「名誉男性」志望者なんだと思う。男は嫌いだけど、女扱いされるのはもっと嫌い。東電OLの彼女はジェンダーに勝てなかった「未来の私」の姿かもしれないと思うと、背筋が寒くなる。それから、男性と女性それぞれのコミュニティにおける関係の非対称性。ホモフォビアと男性のミソジニーって、異物排斥という意味では似たり寄ったりなのね。くやしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2012年2月15日
読了日 : 2012年2月15日
本棚登録日 : 2012年2月15日

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コメント 1件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/04/17

「男は嫌いだけど、女扱いされるのはもっと嫌い。」
じゃぁ、どのように処遇させて貰えば気持ちが落ち着くと言うか、納得されるんですか?(私は多分ノー天気なので、女性の立場を判っていないのに、「そんなに肩肘張らなくてもイイじゃん」って思ってしまいます)。。。

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