終わった人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2018年3月15日発売)
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感想 : 265
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だったらあなたが思う〝終わった人〟を書いてみなよ。と言われてももちろん書けないわけですが…これはなかなか寄り添うのが難しい。
定年後に仕事をしてもいい、役員になっても社長になってもぜんぜんいい。むしろ良いと思う。
だけど年収1,000万円を超えるサラリーマンてのは2桁行かないのだから、一般市民には遠いと思った。
定年後の会社で年俸2,000万円て共感できる人おったの?
そんな出来杉君だからこそプライドが邪魔をすると言うことなのだろうけど、サラリーマンとして定年まで勤め上げた人はみんなそれなりのプライドは持ってると思う。
ジジババの一員になれなくて回りを小馬鹿にしてる人は確かにいるし、趣味のひとつもない人もたくさんいる。
自分が楽しくないことを人のせいにする人や、友達作りを楽しめない人は、結局、孤立する。
そんなとことん〝終わった人〟が徐々に出会う人々や家族との時間の中で、気持ちを切り替えて、自分を知って、次の人生が〝始まった人〟の話しだったなら「読んだ方がいいよ」ってなったけど、この人の人生だとちょっとついていけなかったかな^^;
女性作家さんだけど、女性の本質もちょっと違うかなと思いました。これは男性が思う妻かな。
あれは自立してない女の行動。あの状況なら、自立した多くの女性は、卒婚など中途半端なことはしない。
卒婚は、問題のない夫婦がそれぞれの残された人生をお互い尊重しましょう。の意味合いであって、冷たいようだけど、60歳で元気で収入にも困っていないならすっぱり離婚だと思う。冷たいようだけどそっちがより現実的なのは否めないような気がします。
内館牧子さん、一周回って優しい年齢に返ったのかなと思いました。
また、あれだけ実家に通ってくる娘が父の旅立ちの日に見送りにこないのも不自然だし、逆に浜野さんが来るのも良い人ぶりっ子なん?てなる。
私もそれなりの年齢なので、現実を見過ぎてひねくれているかも知れません。
しかしまあ、これは私の読書記録なので、私の思ったことという事でお許しください。

今年の16冊目
2022.3.2

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月2日
読了日 : 2022年3月2日
本棚登録日 : 2022年3月2日

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