百年の家 (講談社の翻訳絵本)

  • 講談社 (2010年3月11日発売)
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感想 : 102
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永遠の名作「ちいさいおうち」とはまた一味違う、一軒の「家」を巡る、百年の人の歴史を描いた絵本。ちょっとブリューゲルを彷彿とさせるような、薄暗くて緻密に書き込まれた絵と、「家」自身が語る、20世紀。隅々までくまなく眺めていると、文字が少なくても読み終えるには結構時間がかかります。二度の世界大戦、ヒッピームーブメントなど、ある程度歴史的な知識がないと理解できない部分があるので、小さなお子さんには退屈かも知れません。でも、私の祖母が生まれた1900年から、100歳で亡くなるまでの一世紀を、一軒の「家」とともにたどる時間は、なかなか味わい深いものでした。大人の絵本、といってしまうとそこで終わってしまうので、20世紀を知る大人が、少し大きくなった21世紀の子供と一緒に読むといい絵本、という評価はどうだろう。などと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本・こどもの本
感想投稿日 : 2010年5月6日
読了日 : 2010年5月6日
本棚登録日 : 2010年5月6日

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