重いです、とにかく重い。でもそれがいい。
淡々とした描き口で最初から最後まで進んでいくのですが、だからこそ著者から読者に対して「(第三者の)あなたならどう考える?」と問いかけられている感じ。
善悪の区別はとても難しいし、善はAという選択肢だということが明らかであっても、どうしてもBという悪を選択せざるを得ないこともある。
たとえ刑事罰的な罰を逃れたとしても、本人には違う形でなんらかの罰が加えられる。
一つ一つの話が短いこともすごく象徴的だなと思いました。その人の中ではすごく大きな理不尽であり不幸であっても、世の中は理不尽な事で溢れかえっていて、その人の不幸は本当にたくさんたくさんある中の不幸の一つでしかない。周りの人は同情こそしてくれるかもしれないけど、他人の理不尽に深く取り合うことはない。
読了後も、ふとした時に思い出して色々考えさせらる本でした。
個人的には、「参審員」と「奉仕活動」がよかったです!
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月25日
- 読了日 : 2024年2月25日
- 本棚登録日 : 2024年2月25日
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