知らないと恥をかく世界の大問題8 自国ファーストの行き着く先 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA (2017年7月20日発売)
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感想 : 57
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知らないと恥をかく世界の大問題8 ★★★★☆

『トランプ(前)大統領によりとりわけ注目されるようになった反グローバリズム、自国ファーストの動き。第一次世界大戦時のように、自由貿易の否定によって起こった世界恐慌を繰り返すことになるのか?終わらない中東戦争、核保有、貧富の差、環境問題…世界の大問題は山積みである。』


 こちらの本はブックオフで安く売られていたので、2017年刊行という少し古い情報ですが購入し読んでみました。(トランプ前大統領が当選、イギリスのEU離脱の動きが話題になっていた頃です。)

 世界情勢にとことん疎い自分にとって(情けない…!)、お馴染み池上彰さんの分かりやすい語り口調の文は本当に理解しやすかったです。読み進める中で『中東戦争って結局何が原因だっけ…。金正日、金正男、金正恩、誰が誰だか…。55年体制ってなんだっけ…?』というちょっとした疑問も、“良い質問ですね”と言わんばかりに一から説明がされており、モヤモヤすることなく読み切れました。日本はもちろん、世界全体の動きを歴史や宗教の流れを含め網羅的に掴め、効率よく世界情勢を学べます。

義務教育で学んだ歴史や政経の知識がすっかり抜けていた“無知の恥”に改めて気が付き、自国のことはもっと自分の頭で考えなくては!と当たり前のことを再確認できた一冊です。



●もっと詳しく知りたいと思った内容

・アメリカ/ロシアの国交

トランプ氏がロシアのプーチンに接近。アメリカが新ロシアになれば、ウクライナ内戦において米の支援を受けていた政府軍が見捨てられ、ロシアがヨーロッパの脅威になりかねない。

・ミャンマー内戦の行方

・EU離脱後のイギリスの国政

その他のヨーロッパの国々への影響

・憲法改正の動き

今後の日本のPKO活動の動きと、それに伴う自衛隊の活動内容の是非

・日本の教育予算の低さ

奨学金の返済免除がなされていないのは日本とアイスランドのみ。



●心に響いた言葉

・広島原爆記念碑に記された言葉

“安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませんから。”

→日本は核爆弾を作る技術はあるが、これからも唯一の被爆国として非核三原則を訴え続けるべき。

・議論をすること=知識を競ったり相手を論破することなく、互いの違いを認め尊重すること。

→トランプ氏のように自国ファーストより“自分ファースト”になっていないか?

・日本は民主主義国家。過去は変えられないけれど未来は変えられる。世界情勢を自分の頭で考え、人任せにしないこと。

→無知は恥。選挙において、議員になりたくて議員をやっているか、日本を変えたくて議員をやっているか自分の目で見極めるために知識を付けよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月14日
読了日 : 2021年6月14日
本棚登録日 : 2021年6月14日

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