ARAKURE あらくれ (ハヤカワ・ミステリワールド)

  • 早川書房 (2011年6月23日発売)
3.10
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本棚登録 : 66
感想 : 10
3

矢作+司城コンビによる幕末クライムノベル! 装丁の
イラスト...カッコいいよねぇ。様々過去の名作映画への
オマージュが盛り込まれたという今作。もう随所に
バリバリに映像化を想定したようなシーンや
台詞が盛りだくさん。エンタメ度高いです。

しがない渡世人「亮介」「欣蔵」がひょんな事で
手にする連射ライフルとピストル。人生の目標の
ない2人がこの武器片手に始めたのが「股旅ギャング」
を名乗り、賭場ギャングから次第に義賊へと
変貌を遂げるクライムロードノベル。恐らく
読者は頭の中でシーンの構図や役者のキャスティングを
しながら読んでいるんじゃないでしょうか?

作中の登場人物も坂本龍馬、清水の次郎長、
土方歳三、松平容保などが登場し、様々な
形で股旅ギャングに絡んできます。

前半はコメディタッチの渡世人情ものから
次第に「明日に向かって撃て」を経て、
ヒロインを巻き込んで「俺たちに明日はない」
へと流れていく、怒濤のエンタメ。

面白いんですが惜しむらくは、ページ数の
少なさと圧倒的な悪の対象の不在、そして
もっと涙腺を崩壊されるような高揚感を
あくまでも活字...で煽って欲しかった...かも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内作家や〜
感想投稿日 : 2013年1月18日
読了日 : 2013年1月18日
本棚登録日 : 2013年1月18日

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