処女短編集、というのに30篇収録でしかも殆どが書き下ろし。書きすぎというか、書かせすぎでしょう。
描写を引き伸ばしたりいきなり折ったりすることで徹底的に悪ふざけしてしかもその悪ふざけが生半可じゃないところに魅力を感じたりもする作家で、難しいこと抜きにしたら大真面目に馬鹿をやるということでそれはそれですごいことだと思いますが、どうしても作品の質が追いついてなくって。30篇というボリュームも問題ですがなんだか安定しない。筆が荒れてるでしょ、という感じでまくりで、序盤の数編は面白く読んだし、幾つか手を叩くほどの傑作もあったけれど全体としてはだれたって印象が強い。面白いはずなのに面白くないな……っていうのはあんまり味わいたくないがっかり感だからもうちょっと優しくして欲しかったです。読者にも作者にも。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2011年12月5日
- 読了日 : 2011年12月4日
- 本棚登録日 : 2011年12月4日
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