レオナルド・ダ・ヴィンチ 下

  • 文藝春秋 (2019年3月29日発売)
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感想 : 36
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 上巻があまりにも興味深い内容だったため、下巻も読みました。結論としては下巻も最高の一冊でした。今回も上巻に引き続きレオナルドという天才に近づくためにレオナルドがどんな性格だったのか、どんな人間だったかを注目して読み進めました。  
 レオナルドといえば芸術家であるイメージがあるかと思いますが、レオナルドは絵画でしか評価されない状況を嫌いフィレンツェからミラノへ拠点を移しました。また、お金を積まれても興味がなければ絵を描かなかったそうです。大きな才能を持っていてもそれに縋るのではなく、本当にやりたい事をやり続ける。ただお金のために絵を描き続けるのではなく、より良い絵を描くために生物の構造を学び、水の流れを研究し、解剖を続ける。本当の意味で学びが好きな人物であると改めて実感しました。  

 また、上巻で十分数多くの学問において才能を学んできたつもりでしたが、下巻ではこれまで知らなかった分野についても秀でていたことが学べました。さらにレオナルドは〇〇という考え方、概念がない時代にこれを作りだす天才、つまり0から1を生み出す天才であると感じました。コペルニクスやガリレオより早く地球が平坦でないと考え、微積分がない時代に連続量を扱いました。そして化石をもとに地層の研究を行う生痕学の祖であったというから驚きです。生痕学が主流になるのはレオナルドの死後300年後であるため、例えるなら、江戸時代にAIの研究をしていた商人がいたようなものだと私は考えました。  

 最後に、私は本書を読み進めるにあたり、ただレオナルドの歴史を学ぶのではなく、自分がレオナルドに近づくには何をしたらいいのかを主軸にしていました。本書の最後にはレオナルドに学ぶべきことが20個ほど述べられています。人類史の中でも指折りの天才から学びを得れる。本書は私がこれまで読んだどの書籍よりも説得力がありました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 実用書(趣味)
感想投稿日 : 2020年9月6日
読了日 : 2020年9月3日
本棚登録日 : 2020年7月27日

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