「くらまし屋稼業」の5冊目。
前作の最後に驚かされてどうなることやらと思い本作を開いたが、こちらの思いは全く放置されたまま、今回は老中・松平武元を晦ます話、って…。
高尾山で対峙した御庭番・曽和一鉄や上尾宿の殺しを洗う道中同心・篠崎瀬兵衛が登場し前作前々作を思い返している内に、武元はもとより田沼意次までも登場。老中・酒井忠寄との権力争いも見え隠れして、この話、どれだけ話が大きくなっていくのか。
今回は老中を晦ますという難しいミッションをどうクリアしていくかというところは勿論の見所だが、それ以上に武元や一鉄、篠崎や同じく道中同心・乾の人となりや胸中がじっくりと描かれ、平九郎・赤也に続いて七瀬の出自も明らかになるなど、シリーズの今後のための節目になる話だったように思える。
話が大きく出た割には武元の依頼の大本がなんとも哀しく可愛らしく、願いを叶えた今井の渡しでのやり取りや亡き母が娘に遺した手紙の存在に泣かされた。
でもって、また最後の最後だけ出てくるのね。さて、これからどうなる?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2023年読んだ本
- 感想投稿日 : 2023年5月7日
- 読了日 : 2023年5月7日
- 本棚登録日 : 2023年5月7日
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