「くらまし屋稼業」の7冊目。
イクイノックス関西初見参の宝塚記念を観に行った往復の電車で読了。人が多くて、仁川までターフビジョンを観に行ったみたいになってしまい、疲れた…。
今回受けた依頼は、希代の女形であった故人をあの世から晦ましてこの世に連れてくる、というもの。
いくらくらまし屋とて受けることが出来ない依頼は、しかし、赤也の出自と関わって、赤也はくらまし屋を離れて“芝居合戦”の渦中に身を投じることになる。
幕閣やそれに取り入ろうとする商人の思惑に、くらまし屋捕縛に執念を燃やす道中同心・篠崎瀬兵衛や利権を手に入れんとする虚の刺客まで絡んでくる話は、いつものことだが、よくぞここまで色んな関係を組み合わせられるものだと思う。
その中で、赤也を思う平九郎に、今回はとりわけ七瀬の強い思いが何度も描かれて、泣かせる。
初めて出て来た虚の九鬼段蔵の強いこと。これに勝つには井蛙流を進化させねばならないが、かつての師匠・磯江虎市は見つかるのだろうか、今後の楽しみ。
ずっと稽古もしてなくてああも華麗に踊れるものかと思うが、表紙の絵柄がいつにも増して楽しくて、まあ、いいか。
またしても「夢の国」のことは描かれず、あちらはどうなっているのだろう。次巻も楽しみ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2023年読んだ本
- 感想投稿日 : 2023年6月26日
- 読了日 : 2023年6月25日
- 本棚登録日 : 2023年6月26日
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