図書室の魔法 下 (創元SF文庫)

  • 東京創元社 (2014年4月27日発売)
3.71
  • (30)
  • (52)
  • (51)
  • (10)
  • (0)
本棚登録 : 512
感想 : 78
5

評判どおりすごくよかった! ものすごく好き。
魔法とかフェアリーとか出てくるけれども、SFやファンタジーが苦手なわたしでも気にならなかった。
1979年イギリス、学校の寮で生活する家族に恵まれず、脚が不自由な孤独な女の子の日記、なんだけど、昔の少女小説のようでもあり、でも、学校内のヒエラルキーだとかは現代風でもあり、ときに性的な話も出てきたり、哲学的なところがあったりするのはやっぱり大人の少女小説だなと思ったり。
主人公の女の子がSFファンタジーマニアなので、本の話だらけで、SFやファンタジーが好きだったらもっともっと楽しめただろうな、と。わたしも、出てきたSFやファンタジーをなにか読んでみなくては!と思っているところ。

家族も友達もいない孤独な主人公が、本を通じてだんだん仲間ができ、人生のいいところ、を知っていくところがいいなあ、と。
マジでうらやましい(笑)……。なんというか、やっぱり、読むなら、オタク、と言われるほど読まないとダメなのかも、とか……。
でも、そもそも彼女はつらい境遇にあっても自分を憐れまないし、だれにも負けないし、知恵も勇気もあるし、まさに少女小説の主人公で。この本を全部読むまでは生きていなきゃとか思うところは、さすが本好きなんだなと思ったり。
彼女はこれからもどんどん本を読むだろうけれども、もうひとりじゃなくて仲間がいて、さらに、いい成績で大学にいって、もっと本を読んでもっと友達や仲間が増えて、本の話ができる恋人もいて、卒業したら好きな仕事をして、たぶん結婚もして、って、充実した人生を送るんだろうな、というのがすごく想像できる。それはとっても幸せな読後感だった。

(……でも……なんだかバカみたいなんだけど、やっぱりうらやましいというか、人生これからの人はいいなとか(笑)、なぜかすごくとり残されるような寂しさがあったのも事実……。あまりにいいラストだったので)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年6月20日
読了日 : 2014年6月19日
本棚登録日 : 2014年6月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする