ことり (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2016年1月7日発売)
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本棚登録 : 4440
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静かなお話だった。

実際世の中にいる、なかなか社会に馴染まない、いわゆる変わった人。それでも小鳥の小父さんは仕事もし、限られた中だけれどもうっすらと社会との接点を持ちながら暮らしていく。もっと強いつながりを持ちたいと思っても、スーッと離れていってしまう。

私は多分こういう人を、よくわからない人だな、何を考えて生きているのかな、と思ってしまうと思う。そんな人の内側から、何を大切にしていてどういう気持ちで生きているのかを丁寧に描いてくれた作品だと思った。そして小父さんは理解者が近くに寄り添うことなく人生の終わりを迎えた。

外側の私は、その思いを理解できなかったとしても、それを踏みにじることがないようにしたいと思った。それは同時に、自分自身の居場所や思いを守ることにもつながると思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月27日
読了日 : 2022年11月27日
本棚登録日 : 2022年4月5日

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