バラエティに富んだ短編集。各話の冒頭に掲載された雑誌と時期、企画やらが書かれていて面白い。どれもこれも全く毛色が違う感じで、いい意味で予想を裏切られる。
「あなたをはなさない」「ノックを待ちながら」「サンセット通りの天使」「空部屋あります」「千載一遇」「私は死なない」「ジェイとアイとJI」「あわせ鏡に飛び込んで」「さよならの転送」「書かれなかった手紙」の10編。
個人的によかったのは、ラストが明確にされない(こういうのを嫌いな人もいるが)「ノックを待ちながら」と老女の柔らかい口調がだんだん怖く感じていく「空部屋あります」。もし自分の身になったら恐ろしすぎる「私は死なない」や全編手紙方式のミステリ「書かれなかった手紙」も秀逸…書かれなかったってそういう意味だったのねと納得した真相。
最後の大沢在昌氏と著者の対談も創作に対するアプローチが正反対なのがわかってとても面白いオマケ(?)である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2017年5月7日
- 読了日 : 2017年5月7日
- 本棚登録日 : 2017年5月4日
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