猫町 他一七篇 (岩波文庫 緑 62-3)

著者 :
制作 : 清岡卓行 
  • 岩波書店 (1995年5月16日発売)
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本棚登録 : 931
感想 : 79
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表題、猫町は不可解な現象が自身の精神に由来するものである、という設定がいい。猫の出現に不穏なものがあるのがよい。猫は愛らしいものとされることが多いが、猫町では不気味、幻を象徴していて面白い
散文詩もいい。紅茶に角砂糖を入れるだけの行為を細かく観察して美しく描写している。
田舎が永遠を守ろうとする、という意見も納得する。田舎は変わらないことを強制する。日本の古区からの精神のようなものを感じた。いいものとは限らない。帰省中に読むことができてよかった。田舎と都会では洗練度というものがやはり違うのか、と考えた。三四郎では主人公三四郎が、北の海では友人金江が、似たようなことを言っていた。
難しくて読んでない部分もあるが解説もいい。古くからの魔術、との比較も面白い

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月7日
読了日 : 2024年3月7日
本棚登録日 : 2024年3月7日

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