はじめての構造主義 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (1988年5月18日発売)
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本棚登録 : 3095
感想 : 267
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レヴィ=ストロースが死んだので積読から読んでみた。
実存主義はもう十分読んできたので、それを攻撃した構造主義というものを知るにはタイミング的も良かった。
そして何よりこの本が明解で現代思想を知らない自分でも理解することができた。
実存主義は人間個人が主体なのに対して、構造主義は社会的なものだと思えば良いのかな。
そのため様々な学問にも汎用的なのだと。
自分は理系出身なのだが、数学にもそれが生かされて新しい発見があったということは全然知らなかった・・・(高校の微分積分で躓いて、大学でもろくに数学やらなかったので・・・)。
これを読んでポアンカレ予想を解いて後、表舞台から去って母親の年金で引きこもり生活をしている学者を思い出してしまった。
優れた数学者はきっと哲学者としても相当なもので、彼はきっと知ってはならない真理にたどり着いたのでは、と。
構造主義自体は真理そのものを否定しているようだが、ポスト構造主義を更に超えた全く新しい真理へ到達する思想は意外と数学者から生まれるのかもしれないと思ったり・・・。
構造主義者自体、数学に相当長けていたそうなので、そこにヒントがあるような気がしてならない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2010年4月27日
読了日 : 2010年4月27日
本棚登録日 : 2010年4月27日

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