本作は、戦後高度成長期へのノスタルジーたっぷりのファンタジーな親子情愛物語。
商社で定年を迎えた竹脇正一は、送別会の後、帰宅途中の地下鉄車内で倒れ、意識を失った。集中治療室で昏睡状態の正一は、マダム・ネージュ、静、カッちゃん、峰子とそれぞれ不思議な遭遇体験をする。正一は、捨て子として施設で育てられたため、満たされない思いを胸に、他者からの憐れみを恐れ、片意地を張って、サラリーマンとして普通に生きることに拘ってきた。不思議な遭遇体験は、正一の心のわだかまりを徐々に解きほぐしていく。
話の展開が上手いなあ、と感じる一方で、最近はこの上手さにやや食傷気味。著者の作品から今一つ感動を味わえなくなっている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF・ファンタジー
- 感想投稿日 : 2020年7月6日
- 読了日 : 2020年7月6日
- 本棚登録日 : 2020年7月3日
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