おもかげ

著者 :
  • 毎日新聞出版 (2017年11月30日発売)
3.72
  • (78)
  • (109)
  • (98)
  • (22)
  • (8)
本棚登録 : 867
感想 : 116
3

本作は、戦後高度成長期へのノスタルジーたっぷりのファンタジーな親子情愛物語。

商社で定年を迎えた竹脇正一は、送別会の後、帰宅途中の地下鉄車内で倒れ、意識を失った。集中治療室で昏睡状態の正一は、マダム・ネージュ、静、カッちゃん、峰子とそれぞれ不思議な遭遇体験をする。正一は、捨て子として施設で育てられたため、満たされない思いを胸に、他者からの憐れみを恐れ、片意地を張って、サラリーマンとして普通に生きることに拘ってきた。不思議な遭遇体験は、正一の心のわだかまりを徐々に解きほぐしていく。

話の展開が上手いなあ、と感じる一方で、最近はこの上手さにやや食傷気味。著者の作品から今一つ感動を味わえなくなっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF・ファンタジー
感想投稿日 : 2020年7月6日
読了日 : 2020年7月6日
本棚登録日 : 2020年7月3日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする