ウォッチメイカー 下 (文春文庫 テ 11-18)

  • 文藝春秋 (2010年11月10日発売)
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本棚登録 : 1197
感想 : 120
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 すごいエンタメ小説を読んだなあ、と読み終えて思わず感嘆の溜息をついてしまいそうな、とにかく面白いミステリーでした!

 読み終えて、この『ウォッチメイカー』の下巻のイメージは、ボクサーが浮かんできます。鮮やかなツイストの連続、めまぐるしく変わる展開は、蝶のように舞い、蜂のように刺す、そんな身軽なボクサーのイメージを浮かべてしまいます。

 ただ、この小説の凄いところは、その一発一発のインパクトが強いところ。息つく暇を与えないとはまさにこのことで、「なるほど、そうきたか」と思わせたら、「え!? こう来るの!」となり、そしてさらに「また、流れが変わった…」という展開が続くのです。いつ果てるか分からない激流にずっと押し流されているようで、どんどん読みふけってしまいます。

 身軽に打ってくるパンチがジャブどころか、いずれもストレート並みの重さがあり、そして、アッパーもしっかりと決めてくれる、そんな小説なのです!

 展開、構成の妙ももちろんありますが、シリーズ一作目の『ボーン・コレクター』とのつながりや、捜査官のアメリア・サックスの刑事の威信を懸けたドラマなど、他の読みどころもしっかりと押さえているのも、うれしいところです。

 単体のミステリとして読んでも面白く、シリーズものならではの面白さもしっかりとある。リンカーン・ライムシリーズの中でも、評価が高いのに納得の作品でした!

2008年版このミステリーがすごい! 海外部門1位

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー・サスペンス
感想投稿日 : 2016年5月17日
読了日 : 2016年5月16日
本棚登録日 : 2016年5月16日

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